オキナワ村(記W)

 10月3日から9日まで、7日間の予定でオキナワ移住地に出かけた。出張先のオキナワ第一日ボ学校に着いたら、流感に似た風邪がはやっており、生徒の20%程が休んでいた。翌日4日は全校閉鎖で生徒は全員休みになった。ということで、時間が出来たので4日の午後、オキナワ日本ボリビア協会のH副会長にオキナワ村を案内していただいた。
 最初に行った所は、「愛沖」という製粉工場である。Hさん他2名の方の共同経営で4年程前から、オキナワ村産の小麦を原料として「小麦粉」を生産しており、ボリビア国内で販売している。小麦のまま出荷するより付加価値を上げることと、オキナワ村の雇用対策として始めたとのこと。10数名の日系人ボリビア人が働いていた。製粉設備は、比較的費用がかからないイタリア製の製粉機を現地に行って購入してきたとのこと。その決断力に驚かされた。

 製粉工場の見学のあと、Hさんの農場を案内していただいた。Hさんの本業は農業である。オキナワ村の農家の平均耕作面積は500ヘクタール(1Km x 5Km)とのことであるが、Hさんは、900ヘクタールの農場を持っている。(私の家は、昔農家であったが、当時の耕作面積は、1ヘクタール。ボリビアの農地の広さを想像してください。)
 驚くことに、この900ヘクタールの農地をたった5人のボリビア人の作業者にゆだねているとのこと。その効率の秘訣はアメリカ、ブラジルから学んだ「不耕起」農法にある。以前は、日本のように作物を収穫したあと、土を耕し平らにしてから次の作物の種を蒔いていたが、今は収穫後除草剤で草を退治し、土を耕さずに種を蒔くのである。土を耕すのに膨大な手間と燃料が必要だったがそれがなくなったために、効率化が図れたのである。
 下の写真の機械が種蒔き機で、犬のところの円盤で土に線状の溝を掘り、真ん中の円盤の右のパイプから種を落とし、右の星型の2枚の円盤で土を被せていくのである。これをトラクターで引いて10列一度に種を蒔いてゆく。

 まったく耕さないと土が固くなりすぎてしまうので、何年かに一度は土を柔らかくすることを行う。ただし、耕すと草の種が土の中にはいってしまい、除草剤が効かなくなるので耕さずに、下の写真の刃を50Cmほど埋めた状態でトラクターで引きながら、先端部を振動させ土の内側のみ柔らかくし、表面の草の種が土の中にはいらないようにしているとのこと。電気製品の進歩同様、農業の進歩にも目を見張るものがある。(効率100倍??)

 現在のオキナワ村は、小麦と大豆の輪作(冬小麦、夏大豆)が主体であるが、水田の稲作、サトウキビの植付けも進んでおり多角化が図られている。又大規模な酪農(乳牛、肉牛飼育)を行っている家も多い。
<本通りから17Km奥まで道が続いており、その両側が農地で人家は数Km毎にある)

 この日の夕食は、オキナワの日本語学校に沖縄から派遣されている先生ら3名を宿舎に招き、製粉工場で頂いた小麦粉で作った「お好み焼き」をご馳走した。