先生の日(記W)

 ここボリビアには、「先生の日」と言うのがある。今年は、6月6日(水)で、翌7日聖体祝日「CORPUS CHRISTI」(復活祭から60日目の木曜日)と言うキリストに纏わる祝日の前日であった。残念ながら、休日にはならない。
 前日から、サンファン学園に出張していた我々は、その日に偶然出くわした。この日は、午前中に生徒会主催による出し物、午後は、先生チーム対生徒チームによるサッカー大会の特別時間割が組まれていた。生徒達が各学年ごとに、教師には秘密の出し物の練習をして、この日に備えたらしい。
 まず、「先生の日の歌」から始まり、次々と出し物が披露された。低学年のダンスは、上級生が振り付けを教えたらしい。劇中、せりふを忘れて棒立ちしてしまうような場面もあったが、生徒の感謝の気持ちが伝わってきた。
 教室での授業の様子を演じる寸劇などは、先生役を演じる子が遅刻する生徒を叱る場面など、その先生の特徴をつかんでいて大いに笑いを誘うものもあり、子どもたちばかりでなく先生方にも受けていた。
 最後に、学級委員が壇上に上がって、先生方全員に贈り物を手渡していた。もちろん、こちらの代表的な頬をすりあわしての挨拶付である。そのときは生徒達が壇上の二人に対して「ベッス、ベッス・・・・」(キッスをしろ)と囃し立てていた。Hさんも、先生の一人として贈り物を頂いた。卓上の文房具立てで、ホチキスやナイフまで揃っているものである。
 午後に行われたサッカー大会は、審判も生徒会の役員がするという自主性に富んだもので、教員チームはでっずっぱりで全学年の子どもたちと走り回りボールを追いかけるという過酷なゲームであった。Hさんも出場して芝生のコートでボールを追いかけ、最後には疲れたためか、高等学校時代にはハンドボール部でキーパーだった腕を買われてかゴール下で動いていた。女子チームは引き分けのため、フリーキックとなり全員がボールを蹴っても決着が着かない好ゲームとなったが、若い先生のシュートが決まりようやく先生チームの勝ちとなった。
この教師と生徒との和気藹々の雰囲気を見て感じたことは、日本で時々報道される、いじめや先生に対する暴力はここボリビアでは起きないだろうと思われる。日本でも、「先生の日」を作ったらどうだろう。もっとも、ボリビアでは、「生徒の日」と言うのもある。ちなみに今年は、9月21日がその日に当たっている。
<上級生がリードしてのダンス>

<ソウラン節を踊る上級生>

サンファン学園 航空写真 グランドは芝生>