ボリビアの日本語学校の卒業式(記W/H)

 ボリビアの学校は、11月末から12月の初めにかけて終業式、卒業式が行われ、12月から1月が夏休みで日本のように宿題は何も出ない。サンファン学園の卒業式は、11月17日、ヌエバエスペランサ日本語学校が11月29日、オキナワ第一日ボ学校が30日に行われた。
 サンファン学園の卒業式は、第1部が幼稚園児21名の卒園式で、第2部が中学生(8年生)18名の卒業式であった。幼稚園児が全てサンファン学園に入学すれば、来年度も生徒数が今年と同程度になり学校運営も人数的には支障がなさそうである。
<卒園する幼稚園児 21名>

 卒業生の男子は母親と、女子は父親と腕を組んで入場し、最後には又腕を組んで退場する。日本のように、卒業生が多い学校も同様らしく時間がかなり掛かるらしい。
<笑顔いっぱいの父親>

エバエスペランサ日本語学校の卒業式会場のオキナワ第2地区公民館に行ったら、公民館前の電線に花が咲き卒業を祝っていた。確かに、この植物は根から増えていくわけにはいかないので、花を咲かせて種から子孫を増やすしかないのであろう、この様に花を咲かせるのももっともだと一人で納得した。
<電線に咲く花>
 一時帰国のときに入手した高倍率のカメラの威力が発揮できたか??

エバエスペランサ日本語学校の卒業式は、カトリック教会の神父さんによる司式で始まった。公立学校なのによいのだろうか。日本の公立学校で宗教色を出したらどうなるのだろうか?

エバでは、幼稚園児5名、中学生(8年生)3名の卒業式であった。在校生がたったの35名のヌエバでは、入学児童数がいつでも気になるが、これならば来年度の生徒数の減少はなく教師4名の首が切られることもない。
やれやれ、、、。
<正装した卒園児>
 色違いの制服は、日本語の幼稚園児とボリビアの幼稚園児。幼稚園は別々のクラスになっている。

<卒業生の感謝の合唱>
 日系人3名とボリビア人10名が一緒の卒業式

 オキナワ第一日ボ校の卒業式は、中学生(8年生)7名の卒業式であった。昨年は、盛りだくさんの出し物があったが、今年は創立20周年記念日にたくさん出したためか、ちょっと簡素な卒業式だった。授業数確保のためなら已もう得ない。
<卒業生の楽器演奏に合わせて歌う高学年生>
 日本なら卒業式の会場準備は生徒会や在校生が主になってやるところ、オキナワ校の会場の装飾(風船の柱、文字、生け花等)は専門業者にお願いしたとのこと。今回の費用は一式US50$、安い日本円でたったの5500円。

<この学校も、勿論入退場は親と手を組んで>

卒業式は各学校ともボリビア方式で行われた。日本の卒業式は厳粛で咳払いひとつ出来ない雰囲気があるが、こちらでは明るく和やかに行われた。保護者が小さい子ども同伴で家族全員で式に参加するため、静かにとはいかない。一糸乱れぬ日本の卒業式となんと違うことか。日本では、必ず卒業生と在校生が互いに別れの言葉を群読形式で伝え合うが、こちらでは何もない。したがって、その別れの言葉を言い合いながら泣き出してしまう子もいない。歌は校歌を歌う程度で、「さよなら友よ」「大地讃頌」などの感動的な歌声は聞かれない。担任がクラスの子どもの名前を呼ぶ個名もない。
ことほど左様に違う卒業式であるが、こちらでは、式終了後に会場に来た全員の人たちにボリビアの典型的な食事が振舞われる。チーズを入れて炊き込んだおかゆ、チュラスコといわれる炭で焼いた焼肉と太いソーセージ、レタス・トマト・キューリ・紫玉ねぎをドレッシングであえたサラダにコーラやスプライトのソーダ類が出された。
日本では、式典終了後に卒業学年の先生方は最後の学活に移り、とっておきの言葉を生徒にかけて互いに涙を流してから、卒業生は教室を出て校庭を在校生一同に送られながら花束か記念の鉢をもらって校舎を後にするのが通例であるが、、。ボリビア方式にも良さがあるので、どちらが良いとは言えないが、日本式も捨てがたく、ただただ両方式を体験できたことに感謝している。