ボリビアのクリスマス(記H)

 北海道、東北では雪の便りが聞かれ、クリスマスには「ホワイトクリスマス」が迎えられることでしょう。
 ここサンタでは雨季に入り、殆ど毎日のように雨が降っています。人口140万人のボリビア第2の都市でも下水が十分に完備していないためか、道路は川の様になっています。
<アパート前の道>

 今月に入ってから、街ではクリスマスの飾りつけが始まり、ラジオやテレビの広告ではスーパーはもとよりブティック、靴屋、アクセサリー店等女性や子どもを対象にした宣伝が多くなりました。
 ボリビアは95%がカソリックの信者さん。イエスの誕生を祝います。西洋諸国と同様に、会社や友達の間ではカードのやり取りがなされ、家族ではプレゼント交換をします。私達が利用しているスーパーでは、所狭しとプレゼント商品が並べられ、購買意欲をかき立てています。ジュース、缶詰、菓子等が入ったかご盛(これはタイでもそうでした)が並べられ、クリスマスに食べるケーキ「パネトーン」のコーナーが出来ています。

 我が家の前にある市立図書館の広場には、舞台が出来ており、昨晩は小中学生によるフォルクローレの演奏と高い足の子どもの踊りが見られました。

 ケーナチャランゴ、バイオリン、ギター、太鼓が織り成すジングルベルは素朴で趣のあるものでした。夜が更けてきてから、低学年の児童が何人もあくびをしながら太鼓をたたいていたのが大変あどけなく映りました。そして、踊りの輪の中には、観客が入り一緒にステップを踏んでいました。大人と子どもが仲良くステップを踏む姿を見ながら、世代が違えば接点のない日本社会との相違を感じてチョッピリ羨ましくなりました。キリスト教は、アイマラやクチュア族の人達の宗教ではないのですが、スペインに征圧されてから475年経つ内にクリスマスはこの国で次第に根を下ろしたようです。

天皇誕生日祝賀会
 12日(水)12:30〜14:30にサンタにある5つ星ホテル、カミノ・レアルに於いて天皇誕生日を祝うパーティーが開かれました。
 昨年は、サンファンへの出張と重なり失礼しましたが、今年は日系社会だけでなく、サンタクルスの名士が集う会の雰囲気を味わうことができました。ラパスから白川大使ご夫妻がかけつけ、サンタの領事館で執務されている根木参次官をはじめ石郷岡領事が招待客を出迎えてくれました。

招待客約150名の前で、白川大使は堂々とスペイン語でご挨拶され、そのスペイン語の上手さに感動しました。
こちらに来てからNHKだけでなく、ボリビアのテレビやCNNそしてドイツ放送を見ています。CNNでは、アジアやアラブの要人がよくインタビューを受けますが、どの人も英語が大変上手です。以前、安部前総理がインタビューされていましたが、通訳が入っていました。ですから、白川大使がポリビア人と対等にスペイン語で話していたのを見て嬉しくなりました。

若い頃に日本に1年間JICAの研修で行っていたというサンタクルス県の知事ルーベン・コステルさんの挨拶は、日本語でなくスペイン語でした。スピーチの中で、日本の援助に感謝していること、両国の友好関係が長く続くよう願っていると話されました。
<政府と対立する姿勢で、今もっとも有名な人と>

振る舞われた料理は、巻き寿司、トルーチャという魚の握り、エビの天ぷらに肉料理、魚料理、種類豊富なサラダが並び、デザートのケーキは3種類ありました。大使館の人の話では、サンタにある日本食堂が料理を担当したそうです。ボリビア人も上手に箸を使い「美味しい」と絶賛していました。