南米のパリ ブエノス・アイレスへ(1日目)記H

 昨年の夏休みは、子ども達がボリビアを訪問してくれたので、一緒にイグアスの滝やウユニ塩湖を訪ねる旅をした。今年は、夫婦二人でアルゼンチンの旅を計画し、南極ツワー11日間を加えて合計22日間の長期旅行に行くことにした。
12月15日(土)「ブエノスの夜はタンゴから」
 14日にサンファンの日本語科修了式で子どもたちに祝辞を述べた後、全員の先生方での会食会に参加した。その席で「明日ストライキがあると聞いていますが大丈夫でしょうか。」との私の質問に対して、校長先生が「明日は絶対やるよ。だから今日中に飛行場へ行って、そこに泊まった方がいいよ。」と冗談半分に言った。この国ではストはよくあることなので「どうしようか」ちょっと考えてしまった。
 夕方、帰宅してから旅行社に行き、相談すると「大丈夫でしょう。10時半に迎えに行きますよ。」とのことで、ひとまず安心した。
 翌日、1時間弱の遅れがあったものの、飛行機が無事に離陸した時には、異国に行ける喜びより予定通りの行動ができたことにやれやれと思う。
<ブエノス郊外に広がる耕作地帯>
 広いと感じていたオキナワやサンファンの農場の何十倍もの広さの耕作地が続く

 ホテルへ向かう途中の通りの広いこと。片側8車線の道を80Kmで走る。高層ビルが林立し、「南米のパリ」と呼ばれていることを実感する。
<街路樹が素敵な市内の通り>

 ホテルへチェックイン後すぐに、市内最古のカフェバーへタンゴショーを見に行く。街の中心地区サンマルティンに宿をとったので、流しのTAXIが容易につかまる。黒と黄色のタクシーを止め「Café Tortoni までいくらですか」と尋ねたらメーターを指してくれた。ボリビアと違って、乗るとき料金交渉をする必要はないのだ。
 ブエノスのF青年に予約をしておいてもらったので、長い行列に並ばずに、すぐに入場でき8時半から11時までのタンゴショーを満喫できた。1858年に創設されたCafé の店内には、この店を愛した芸術家の写真や絵が飾られ、店の一角にはそれら芸術家の遺品が並べられた一室があり、その時代に逆もどりした感じがした。
<装飾が素晴らしい店内>

 ショーは時間通りに始まり、最初はピアノ、バンドネオン、バイオリン、ギターが奏でる「ラ・クンパルシータ」で幕を開けた。甘く情熱的なリズムに酔っていたら、一組のダンサーがカーテンを開けて現れ、狭い舞台を所狭しと使いながら一糸乱れぬ足さばきで踊ってくれた。昔懐かしいポマードで髪形を決めた彫りの深い顔立ちの男性と官能的な衣装を身にまとって柔らかな体を自由自在に動かす女性の踊りに約60人の観客は釘付けになってしまった。
<決めのポーズ>