コチャバンバ避難(記W)

サンタ県で自治権拡大に向けての県民投票が行われる5月4日に、投票を妨害する暴動が起こるかもしれないということで、サンタ県にすむJICA関係者は、5月1日から8日までラパスに避難することになった。我々二人は高山病の心配があるので、ラパスでなくコチャバンバに避難することにした。
サンタから飛行機で40分、標高2600mのCOCHABAMBAは人口110万人のボリビア第3の都市である。我々にとっては、昨年2月のカーニバルに訪れて以来2回目の訪問になる。
 ホテル暮らしに慣れてから、近くのARANIという町に、きれいな教会と滝があるというのでミクロで1時間かけて行ってみる。お昼頃に到着したので「レストランはどこですか。」と町の人に聞いたら「ここには、ないよ。」との返事。市場も日曜日のため商いはお休み。しかたなく、パンとジュースを買ってほお張りながらプラザに面した教会まで歩く。1600年に立てられたサンパルトロメ教会は白を基調とした美しい建物でミサが行われていた。
<サンパルトロメ教会>

<簡素な教会内部>

 ポコアタの滝へは、タクシーをチャーターにて行く。途中は日本の農村に似た風景が続き、とうもろこしの取り入れ時期のためか刈られた穂が束ねて干してあった。移住地のような大規模農業でなく、牛馬を使って耕す小規模農業である。
<小さく区切られた畑>

 ポコアタ村のセントロでタクシーは止り、運転手さんは「そこいらの人に聞きな」とそっけない態度。家の前で収穫したばかりのもろこしをござに広げていた女性に聞き、川に沿ってしばらく歩いたが滝は見えない。途中で行き遇った現地のおばあさんに聞くと6、7Kmも登らなければならないとのこと。滝見物は断念して、おばあさんに連れられて水車小屋を見学する。直径1m程の石臼が回っていて、小麦粉を挽いていた。日本では、もう観光用でしか見られない光景だ。ちょうど近所の子どもが粉を買いに来ていた。
<水車小屋内部は粉が舞い散って>

 コチャバンバの市内見学は、前回休館のために見ることが出来なかった「錫の家」に行く。錫鉱山で大金持ちになり「20世紀の大富豪」と呼ばれている人の邸宅で、1年がかりで建てたこの立派な家に本人は病気のために住むことはなかったそうである。遺族は、現在ヨーロッパに住んでいて1年に1回訪れるとのこと。大理石をふんだんに使った建物は一見の価値あり。
<錫の家>
 
 コチャのホテルは台所付きにしたので、お茶を入れたり持参したラーメンをHさんが作ったりし野菜不足を補うようにした。ホテルの近くにあるスーパーでは、しなびた人参や虫が飛んでるトマトしか売っていないので市場へ出掛けた。サンタの市場の3から4倍もあるだろうと思われる市場には新鮮なピーマン、いんげん、みかんなどが並び思わずたくさん買い込んでしまった。
 ラカンチャと言われるこの市場はコチャの台所を預かるだけでなく、衣料品、電化製品、家具、ボリビアみやげ等ありとあらゆる物を販売している。なんでも、盗品ばかりを売っている場所もあるそうだ。その広さといったら東京ドームの半分はありそうで、目指す品を買う為には通りの人に「みやげ物を買いたいのですが、どの辺ですか」と何度も聞きながら目的地に辿り付けるという程であった。
<民芸品屋が立ち並ぶ一角>

 コチャのミクロは、サンタのミクロと違って色が華やかです。ちょうど下校時間だったため、このミクロは学生で満員だった。