あなたはラジオ派それともテレビ派?(H記)

 大学受験の時でさえも、ラジオのスイッチをonにしていた私。いつでも、どこでもラジオがお友達の習慣は変わっていません。先週、ラジオから懐かしいお声が流れてきたので思わず炊事の手を止めて耳をダンボにして聞き入りました。なんと、秋山ちえ子さんの温かな人を包んでくれるようなお声に「まだ、ご健在だったんだ」とほっとしたり、今日はどんなお話をしてくれるのかしら、と興味深く耳をそばだてました。アナウンサーが、「お元気ですね。89歳とは思えませんね。」と冒頭の案内で言っていました。89歳といえば1957年生まれ。大先輩です。45年間にわたってTBSラジオで「秋山ちえ子の談話室」を通して、毎日の暮らしの中からいろいろな話題を拾って話されてきました。私は可能な限り、朝10時にチャンネルをTBSに合わせていたものです。四季折々のコメントを入れながら主婦としてまた、女性の視点で時事問題も身近に感じさせてくれたことに、女性はもとより男性にも人気があったようです。
 「おそい目ざめ」「私の見たこと、聞いたこと」「雨の日の手紙」などのご著書でも、お人柄通りに何の気負いもなく書かれた平易な文体のなかに、いつでもほのぼのと人間をテーマとして書かれ「誰にでも親切にしなければ」「世話好きな人が世の中を明るくする」と教えてくれました。目指したい先輩の一人です。
 今回は、秋山さんの知り合いのアフリカに住む看護士さんからの要請で、足を痛めた10歳の女の子の手術を日本でできるように秋山さんが一肌脱いだお話でした。秋山さんの人脈の豊かさを語るエピソードでしたし、その話に共鳴した親切な人々がたくさんいることも知りました。その活動の中から、かって私が教壇に立っていた時に、生徒たちに「1m運動の輪を広げよう」と話したことを思い出しました。最初は、隣のクラスとの境を1m越えて廊下をきれいにすることから始め、次第に心の中の1m運動に発展させたことです。
 何にせよ、戦後の男尊女卑の今より厳しい時代に、男性に伍してジャーナリストの道を堂々と歩んでこられた秋山さんがいつまでも健康でご活躍してくださるように祈っています。


障害者と健常者が共に働き生活する場「太陽の家」の評議委員さんとしてもご活躍