初めてのテレビ会議(記H)

テレビ会議の様子>

 7月21日(金)に、パラグアイボリビア日本語教師ボランティアとJICA本部の有識者による日本語教育意見交換会が、パラグアイボリビアと東京JICA本部との3拠点によるテレビ会議として始めて行われました。
 私達ボリビアの参加者5名はラパスのJICA事務所へ集合となりました。私はWさんの高山病のため、ボリビア生活対応のオリエンテーションを受けていない為、その時間も含めて19日より3泊4日の出張となりました。
 20回生(2005年着任)を中心にして、ボリビアから5名、パラグアイから9名の参加者で意見を交換しながら東京のJICA本部から9名の関係者と南米における日本語教育(継承日本語)の権威者である玉川大の長野正教授と鹿児島大の小林基起教授が指導、助言を加えるという形式で行われました。
 私たちボリビア組みは、前日深夜まで全員でフォルクローレANATAの一員でヴォーカルとギターを担当している秋山さんの演奏を聞かせてもらっていた上、当日は5時起きでJICA6時半集合だったため、どの人も緊張するというよりボーとしていました。
 定刻7時(日本時20時)より2時間にわたって交換会は行われました。20回生全員から、あらかじめ1年半の授業実践の中から自分が疑問に思っていることや日常悩んでいることをアンケートで提出させ、それを本部が教授たちに聞きただすという能率的な手法でたくさんの課題に対して解決策を示してくれました。例えば、国語教科書と日本語教科書の使用における問題点、評価について、効果的な授業、年少者教育、配属先の協力体制、教師指導、教材、混合(日系・非日系・年齢差・日本語レベル差)クラスの指導などの課題が出されました。2人の教授は見事に明快な回答を与え、これから仕事を始めようとしている私にとっては大変参考になりました。ボリビア組み21回生のIさんと私は最後に感想を述べただけでした。
 会議終了後、Sさんに「齋藤さんはTV会議初めてじゃあないでしょう。」と聞かれました。理由は、私だけがカメラをまっすぐに見て堂々と話していたからだそうです。これは、32年間に及ぶ教師の姿勢が出てしまったからではないでしょうか。
 それにしても、これから私が関わるボリビア日本語学校4校の歴史的経緯や現状はすべて異なりますし、私への期待感ばかり膨らんでいる様子なので、青年たちと同様に2年間悩みの連続かもしれません。そんな中で、互いに知恵を出し合い、それぞれの学校に見合った解決策を探して行きたいと願っています。

<前夜のフォルクローレANATA の演奏>