有名人との夕食会(記H)

 10年以上続いた筑紫哲也さんの報道番組「NEWS23」のキャスター草野満代さんがサンタクルスへJICA有識者派遣事業でやってくるので「あなたは夕食会に出て下さい。」とO調整員(海外青年協力隊員やシニアボランティアの世話をする人)から言われ、18日(土)に予定されていたサンファンの卒業式を失礼してサンタへ帰ってきました。
 CASA DEL CAMBA という地球の歩き方にも乗っているボリビア料理の有名レストランでその夕食会はありました。なんとこちらでは珍しく、定刻通り7時半から始まりました。最近、日本での「時間通り」を忘れるくらい、ボリビア時間に慣れつつあります。だって、日本語学校の先生方さえ会議の時間を守らないのですから。

JICA所長もラパスからお見えになると聞いたので、ひそかに「日本語ボランティアが打ち切られることに対して直訴しよう」と考えていましたが、所長は終始ニコニコ笑うだけで一言も発しないのです。これには「暖簾に腕押し」あきらめるしかありません。その上、JICAの担当者は「3,4分で視覚的資料を添えて活動報告をしろ」とメールで言ってきたのにもかかわらず、その場では「ひとり30秒で自己紹介を」と変更したのです。   エー、約束違反だよ!せっかく5回も原稿を手直ししたうえ、私には珍しく練習さえしたのに。

その上、私の席は草野さんから一つおいた同列の席だったため声が聞こえず、会話に加わることも出来ずにいました。どうにか隣の人が向きを変えた時に、「ラパスでは、高山病は大丈夫でしたか」「オキナワの子どもたちの三線演奏はいかがでしたか」と質問しただけでした。隣席だったら、日本の報道のありかた等についてもっと質問できたのに...残念!でも、さすが頭の良い人です。移住地への短時間の訪問から、次の様な印象を語っていました。「コロニアオキナワには日本のオキナワ以上に沖縄が残っていますね。」「2世より3世の日本力のほうが高そうですね」すかさず私、「そうなんです、20年ほど前に日本語の学校ができてJICAのボランティア教師が力を注いだこともあり、子どもたちの日本語の力が向上したのです。学校教育のおかげです。」と強調しました。

ところが、現在、JICAはボリビアでの日本語ボランティアを打ち切ろうとしています。1月に、3名の青年ボランティアが帰国してしまうと、この広いボリビアになんと1名の青年ボラと私だけになってしまうのです。南米の中でも突出して日系移住地が守られているというのに。JICAの担当者は何を考えているのでしょうか?移住100年になるブラジルはもとより、ここボリビアでも北のリベラルタやトリニダには日系人が数千人いるというのに満足な日本語をしゃべれる人は皆無だそうです。言葉は同化しやすい上に、混血が進めば日本語は衰退していくのは目に見えています。今、ここでJICAが手を引くのではなく、力を入れなおして日本語をしゃべれる人を育てていって欲しいと思います。
草野さんが帰国して、緒方理事長に「これからも、日本語ボランティアを続けなければいけませんよ。」と訴えてくれるよう希望しています。
サンタクルス CASA DEL CAMBAにて>