涙なしの明るい卒業式(記W)

 ボリビアの学校は、12月から1月が夏休みのため1月末から2月初旬にかけて入学式や始業式を行い、11月末から12月の初めにかけて終業式、卒業式が行われる。
 オキナワ移住地の日本語学校の終業式、卒業式は第2移住地のヌエバエスペランサ日本語学校が11月29日、オキナワ第一日ボ学校が30日に行われた。我々は前日に到着し、29日の朝8時30分にオキナワ日ボ協会長のMさんの車に便乗して舗装されていない道を20km走ってヌエバ校に到着した。
 <ヌエバ校の終業式、卒業式>
 日本語科の終業式、卒業式と幼稚園の卒業式とが同時に行われた。幼稚園児は11名、中学生は12名の卒園、卒業生である。幼稚園児は下の写真のように角帽とガウンの可愛らしい服装での参列である。
<可愛い幼稚園児>

 バックグランドミュージックはエレキギターの明るい曲で始まり、途中からサンポーニャケーナの民族色の濃い曲が流された。終業式では、学年毎に成績優秀者を、1位、2位、3位までを表彰し、記念品を贈呈する。たった4名の学級で3名まで賞をもらい、もらえなかった子どもの胸中はいかに?日本では考えられない光景である。
 卒業生の男子は母親と、女子は父親と腕を組んで入場し、最後には又腕を組んで退場する。結婚式と同じである。娘を持つ親として、ちょっと羨ましい感じがした。
 今回は式の後、謝恩会を兼ねて「JICA日系社会青年ボランティア」の日本語教師M先生の送別会が行われた。Mさんは、来月1月に2年間の任期を終えて帰国する。2年間ヌエバ校で日本語を教える傍ら、地域の運動会、マラソン大会、ソフトボール大会等のイベント指導・運営にも力を尽くしたとのことである。JICAの方針で後任の派遣がなく、学校の弱体化が避けられない状況にある。
 送別会は、生徒による出し物、思い出のアルバム、8年生製作の自主映画作品「スーパーマン」の上映等楽しく過ごした。料理は父母会長の差し入れの牛(彼の牧場の愛牛)のステーキが振舞われた。
<幼稚園児による民族舞踊>

<オキナワ第一日ボ学校の終業式、卒業式>
 翌30日、オキナワ第一日ボ学校の終業式、卒業式が行われた。ヌエバ校と同様に、この学校では、午前中は国の定めに従ったスペイン語の授業が行われ、午後日本語の授業を行っている。1年生から8年生まで、8時から3時半までみっちりと授業を受ける。1年生の拘束時間が8時間以上ということは日本では考えられない。
 この卒業式もスペイン語科と日本語科双方の卒業式で、スペイン語の先生方と日本語の先生方の出席のもとに進行した。式進行はスペイン語で行われ、祝辞はスペイン語で述べられる方と日本語で述べられる方と半々である。生徒の送辞や答辞も各々両方の言語で行われる。
 卒業生の入退場は、ヌエバと同じように親と腕を組んで行われた。ボリビアではどの学校もこのような形式で行うとのこと。卒業生が100人を越えるような大きな学校でも同じように行う為、式の時間がずいぶん掛かるらしい。
<卒業生の入場>

 ここも、ヌエバ校と同様、謝恩会が行われ、生徒による出し物とご馳走が振舞われた。ご馳走はヌエバと同じく牛のステーキである。ステーキは父親たちが汗を流しながら焼いてくれたちょっと硬い肉であった。Hさんは「校長先生の式辞が素晴らしかった。簡潔で、なおかつ内容のある文章で、子どもたち一人一人をよく見ている見事な文章だ。」としきりに感心していた。
<ステーキを焼くかまど 一塊3Kg位?>