サンタクルスも移住地も高齢化(記H)

 12月10日(日)にサンタクルスにあるオキナワ移住地出身の70歳以上の人たちで作る「かりゅうし(沖縄方言で幸せがいっぱい)会」から、私たちに「忘年会なので、何かやって下さい」という申し出があり、快く受けました。
 実は、日本を立つ前に、私たちは「一世の人たちに喜ばれることをしよう」と準備をして来ました。Wさんは、2ヶ月間、群馬町のハーモニカクラブでしごかれ、私は、三味線に18回通い、三味線の弾き方を習ってきました。
 最初に、プロジェクターで群馬・高崎・日本の紹介をして、こちらのみなさんが行ったことのない日本を旅してもらいました。その後、私は「博多子守歌」「大島アンコ節」「黒田節」の3曲を解説をつけながら弾きました。人前で演奏するのは初めてでしたから、緊張して手が震え上手にバチが動きませんでした。でも、30名のお客様は「三味線の音はいいですね。」「日本を懐かしく感じました。」などと感想を話してくれました。
<三味線を弾くHさん>

 Wさんは、「月の砂漠」「里の秋」「村祭り」「赤とんぼ」の抒情歌から始め、「せんせい」を吹き、会場からのリクエストに答えて「かえり船」「りんご村から」を加えました。驚いたことに、会場の皆さんがすぐにハーモニカに合わせて歌いだしたことです。なつかしのメロディがお年寄りの気持ちを和ませたのは私たちが意図してきたことだったので何よりでした。そして、時代が変わっても名曲が持つ底力をしみじみ感じました。
<ハーモニカに合わせ口ずさむお年寄り>

 最後は、Wさんが練習してきた手品のご披露でした。持ち駒を全部出し切ってしまうのではないかと私をハラハラさせるほどWさんは乗りに乗って、会場の人たちと会話をキャッチボールしながら、最後には「おすすめ手品」の種明かしをして、「皆さんも、手品を楽しんでください」なんてにこやかに閉めました。会場からは、大きな拍手が起きました。サングラスをして登場したWさんを見て、これから「手品師を目指したい」なんて言い出しはしないかちょっぴり心配している私です。
<手品師を気取るWさん>