南の国のクリスマス(記H)

 3人の博士がイエスの誕生を祝って東方からやってきたように、日本から子どもと嫁の3人がサンタクルスへ24日イブの日に到着しました。最高のクリスマスプレゼンとになりました。おかげで、家族と共に過ごすボリビア式のクリスマスになりました。
<セントロ公園>

 お客が小休止した後こちらではまだ明るい夕方6時頃、中央公園にあるカテドラル(Catedral Metropolitana)へ行ってみました。いつもは静かな公園も大勢の人でにぎわい、散策をする人、ベンチに腰掛けてにぎやかに話をする人、フォークローレの生演奏をする人などさまざまでした。明るいレンガ造りの教会は、お星様のイルミネーションで礼拝に参加した人を迎え、銀細工の祭壇にはイエス様の誕生の場面の人形が飾ってありました。驚いたことに、馬小屋の屋根はモタクといってやしの葉っぱでできていて、イエス様はなんとハンモックで寝かされてました。「所変われば品変わる」とは、まさにこのことでしょうか。ベツレヘムの人々が見たら何というでしょう。もっとも、1968年にベツレヘムを訪れた時に見た馬小屋は、2、000年前のままでなく現在教会になっていましたが...。祭壇の脇では、ギター、ハープ、電子ピアノの演奏に合わせて2人の女性がコラールを歌っていました。白人女性の素晴らしいソプラノの歌声に思わず拍手をしてしまいました。
<デパート前にて>

 実は、ボリビア人は音痴なのだそうです。理由は、西洋音階を日本人のように学校で小さい頃から教わらず、基本ができていないからだと、こちらで、ピアノの先生をしていらっしゃる人から聞きました。私も、TVちびっこ喉自慢とかイベントで歌う人を注意して聞いていますが、「上手」とか「うまい」とか思える人にまだ遇っていません。一日も早く、ボリビアのフリオイグレシアスに会ってみたいものです。
 クリスマスに先立って、17日(日)サンタ校ではクリスマス学習発表会が開かれました。各クラス、趣向を凝らした出し物でお客を楽しませてくれました。幼稚園児や2年生の童謡は確かな音程でハモっていましたから、日系人も音程は日本人並みに大丈夫だと思います。「白雪姫」や「三匹のこぶた」などの劇や「おむすびころりん」の紙芝居に加えて、上級生は自作劇に挑戦し「日本人アイドル」というTVでお馴染みのアイドルを風刺した劇とか、高校生は「上級部のクリスマス」と題して、学級委員長がクリスマスの出し物について苦労してクラスメートに呼びかけるのだけれど、始めは皆の協力が得られなかったものが、次第にクラスの雰囲気が変わり、やがてはクラス一丸となって良い出し物を出すまでになったという学園劇を面白おかしく熱演してくれました。日本語能力試験が終わってから勉強もそっちのけでクリスマス会の準備をしていた先生方に「おいおい日本語の授業はいつするの?」と心配していた私ですが、この発表会を見学してみて「子どもには大きな舞台を踏ませろ。そこから、子どもは成長する。」と感じている私です。
<白雪姫のお母さん>

 さて、只今24日11時55分耳をつんざくような大きなドカン、ボンボンという音に窓を開けてびっくり。町のあちこちで花火を上げているではありませんか。赤や青の花火が美しく夜空を彩り絶え間なくそちらこちらで打ち上げられクリスマスを祝っていました。その花火は約30分間以上続き最初は美しいと感動していましたが、次第に「これでは寝られないよ」と悲鳴をあげていました。