ティワナク遺跡、チチカカ湖(記T)

1月1日(日) ティワナク遺跡、チチカカ湖周遊

 新年最初の日。ガイドさんの案内のもと、ラパスの近くにあるティワナク遺跡とチチカカ湖を巡ってきました。
<ティワナク遺跡発掘現場>

 ティワナクとはインカやマヤの源流となる文明だそうです。ピラミッドのような祭壇の跡や石像が見られますが、損傷が激しく一部分しか残っていません。ピラミッドの石は昔攻めてきたスペイン人にあらかた持ち出され、近所に教会を建てるのに使われたそうです。自分たちの信仰のためか知れませんが、はた迷惑な話ですね。遺跡を形作る石組みは見事に四角く切り出されており、刃物も無い時代によく加工できたなと感心させられます。石をすりあわせて平らに研磨したんじゃないかと、ガイドさんが説明してくれました。
<石造とHさん>

 場内にはいくつかユーモラスな石像が立っています。不思議な紋様が刻まれており、インカ文明との繋がりを感じさせられます。でもあまり数はありません。遺跡全体としてもまだ十分に修復が済んでおらず、まだ整備中の部分が多いようです。考古学者(?)の人たちが発掘作業をしていたので、これからまた新しい発見があることを期待します。ちょっとのどかな雰囲気のただよう場所でした。
<ティワナクの石門前にて Wさんは高山病のため車の中>

チチカカ湖

 午後はペルーとの国境にあるチチカカ湖へ。日本のテレビなどで紹介されているのを見て名前だけは知っていました。期待しながら向かったのですが、いざ着いてみると普通の湖で拍子抜け。ところがガイドさんの勧めでボートに乗って湖の中の小島に近づいてみるとびっくり、水面のそこここにアシが顔を出す幻想的な風景が現れました。アシの間をぬって島に上陸すると、牛を連れたおじさんに出会いました。どうやらこの小さな島で牛を飼って暮らしている模様。こんにちはと声をかけると、訛ったスペイン語で挨拶を返してくれました。そして島を歩きながら改めてあたりを見るとさらに驚き。そこかしこに石組みの家のあとや、謎の建造物があります。インカ時代の住居跡がそのまま残っているんだそうです。本当か嘘かミイラの入っていた祭壇(?)なんてものも。さらに、よく見ると島の中腹全体に段々畑の跡のような模様があることに気づきました。これも当時のものでしょうか。この島自体がインカの遺跡そのものだったんです。自分の目の前で、大昔のインカの人々の暮らしと、今も畑を作り牛と暮らすおじさんの暮らしとが数百年の時を超えて重なって見えました。よくわからない感動に包まれ、なぜか涙が出てしまいました。歴史って、今の時代と地続きだったんだという事実に、ただ驚愕しました。
<小島の牛>

<石組みの跡>

 と、ラパスを堪能した私たちですが、Wさんは一人体調をくずしてこの日一日半死状態でした。Wさんが高山病を克服できる日は来るのでしょうか。