サンタクルスのカルナバル「CARNAVAL」(記W)

 南米のカーニバル(スペイン語は、カルナバル)をいえばリオのカルナバルが有名であるが、Hさんはリオは危険地帯なので入国は禁止ですと通告されているため私たちは2年間行けません。ですから、まずここサンタのカーニバルから見ることにした。ボリビアでは、カルナバルは2日間の祝日で今年は2月19日(月)、20日(火)のため17日(土)から4日間が休日となった。
 カルナバルのパレードは17日の夜に行われると聞いていた。
 本番に備えて5週前の土曜日からリハーサルのパレードが行われる。本番は、サンタの南西の地域で行われるが、リハーサルは毎週我が家の前の通り(AV. MONSENOR RIVERO)で、夜9時頃から12時頃まで行われた。リハーサルの最初の日は、正規のユニホームでなく、Tシャツなどでのパレードであったが、2回目からは、本番に近い支度である。
 リハーサルとはいえ、観衆が数万人はいるのではないかと思われる規模で、道を歩くのが困難なほどである。観衆が幾重にもなっているので、背伸びしても良く見えない。もちろん、物売りなども沢山出ている。
<2月3日 2週前のリハーサル コンドルに見立てた女王 周りは卵か??>

 本番もぜひ見たいということで、旅行社にホテルLos Tajibos (5つ★)主催のツアーを申し込んだ。
 メンバーは、サンファン移住地のK先生、M先生、青年協力隊Aさん、Iご夫妻をお誘いして7人であった。
 ところが、17日(土)の夜は生憎の雨模様で、ホテルで少し待っていたが中止となり、翌日の日曜日の午前集合に変更された。翌日約束の9時に出かけたが、なかなか出発せず、ホテルのコーヒーを頂きながら2時間以上待たされ、バスが出発したのは11時を過ぎていた。会場について席についたが、なかなかパレードは始まらず、始まったのは何と午後の3時頃であった。その間はぞろぞろ歩く観客を観覧席から見ながらビールを飲み、昼食のハンバーガーを頂いていた。ちなみにツアー代はボリビアにしてはちょっと高めのUS$30でビール等飲み物は飲み放題であった。
<観覧席に陣取るわれらのメンバー>

 パレードが始まる前から、カルナバル名物の「スプレー泡」の掛け合いが始まり、中には水鉄砲でインク入りの水を掛ける連中もいる。
<パレード前にメイン道路を歩く観客 すでに泡を掛けられている>

<顔中インクのSEÑORITA>

 泡のスプレーは下の写真のようにおばさんや子供達が売っています。一本10BS(150円)です。
<泡を掛けられても、売り物のスプレーを持っているが反撃できない可哀想なおばさん>

 ホテルに集合してから、パレードが始まるまでに6時間が経過していたが、あまり飽きずに待つことが出来た。
 後で聞くと、前夜雨で中止になった為、やけになってお酒を飲みすぎ、どのチームもメンバーがなかなか集まらなかったのが遅れた理由らしい、ボリビアではパレードの順番等がはっきりとは決まっていない為に、どのチームも後ろのほうに出発すればいいと思っていたようである。
 パレードの様子は、それぞれのチームがCDの音楽を最大ボリュームで流すか生バンド付き(太鼓、トランペット、チューバ、サックス、シンバル等)で踊りながら行進します。踊り子は通例中学生から高校生まで。最近では、小学生や大人のチームも加わり夜9時から午前3時ごろまで、延々と続くそうです。下の写真のように原住民のスタイルで踊るチームが3チームありましたが、それぞれ指導者によって振り付けが違い、きびきびと大きく動きながら男女で踊りました。圧巻だったのは戸板の上で男子が踊りながら立ってポーズを決めた時には思わず大きな拍手が沸きました。
<原住民スタイルのチーム>

<カメラマン(W)の前でポーズをとる踊り子>

また、女王様を仕立ててパレードするチームも沢山あります。女王は車の上に作られた狭いお立ち台に上り、手を振ったり投げキッスをしたり忙しそうでした。聞くところによると、女王様になるには美人(でない人もいましたが?)という他にお金持ちでないとダメだそうです。衣装代などにかなりの費用が掛かるようですが、金持ちの親はわが子が女王に選ばれることを名誉に思って、衣装だけでなくエステ代や美容院代に糸目をつけず奮発するそうです。また、その年の女王に選ばれることが1番の名誉で、カルナバルの女王は歴代の女王の写真が張られた台の上で踊っていました。頭には冠が光り、さすが彼女は美人でした。
<中高年も元気です>

 出場チームは様々で、バレー学校のチームがやはり抜きん出ていました。踊りがそろっている上に衣装も考えられていてインディオや昔のサンタクルスの人々の衣服を身にまとって踊ります。衣装は、貸衣装やから借りるそうですが、あんなに汚れてしまった衣装を返された店はどうするのでしょうか?
 その他は学校や職場単位、また踊りの同好会チームとして出場しているようです。サンタは自治(Autonomia)を主張しているので、自治を訴えるカルナバルの歌を背景にその主張に賛同する人々が行進する風景もありました。拳をあげながら、観客も一緒になって「Autonomia」と叫んでいました。
<フラメンコのような踊りもありました>

<ちょっときれいな踊り子でしょう> 

デジカメのシャッタースピードが遅く決定的瞬間が撮りにくいかったが
<カメラマン(W)を意識している踊り子>
  ちょっと可愛いいでしょう

 こちらに住んでいる人に聞いたところ、サンタクルスのカルナバルは、以前は
  1日目 : 水を掛ける
  2日目 : 1日目+色水を掛ける
  3日目 : 2日目+泥水を掛ける
  4日目 : 3日目+油、ペンキを掛けたり靴墨を塗ったりする
 とルールがあったそうですが、今はペンキを買う余裕が出来たのか初日からペンキを持ち出す人がいるそうです。その人が、今日(月曜日)用事があるので車で出かけたところ、車にペンキを掛けられたと怒っていました。今日、明日は絶対外出しないように注意されました。アパートの下では、幾つものチームが今も音楽を鳴らしながら行進していますが。
 この習慣は改善しないとサンタの発展を阻害するのではないかと危惧しています。
 もっとも、ボリビアで世界的に有名な「オルロのカルナバル」でも4000mの高地で観光客が水鉄砲の餌食になって寒さで震えているそうです。
 私が以前住んでいた「タイの水掛祭り」でも、ピックアップトラックに載せた水がめに氷を入れて掛け合って震えていたのを思い出します。
 余談:ホテルでバスを待っているとき、日本からの20人程のツアー客に出会った。ペルーのナスカ・マチュピチ、ボリビアのラパスを見て昨夜サンタに着いたとのこと。これからブエノスアイレス・イグアスをみて、最後にリオのカーニバルを見る21日間のツアーと言っていた。費用は一人85万円、さすがにガイドの女性以外は熟年カップルが殆どであった。不況とはいえ日本人は金持ちなんですね。