ボリビアの病気(記W)

 今回はボリビアで発生している病気について報告します。その一つはデング熱、もう一つはアメーバー赤痢です。
 デング熱は、日本では馴染みのない名前の感染症ですが、マラリアと同様にアジアや太平洋諸島など熱帯亜熱帯地域に広く分布するウイルスによって引き起こされる感染症です。デング熱は流行する地域全体で年間約1億人の患者が発生しており、昨年は広い地域で爆発的に流行しました。マラリアと異って、デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカヒトスジシマカ)は空き缶などに溜まった水や竹の切り株に溜まった水でも発生するために都会で流行することも多く、ある意味ではマラリアよりも感染する危険性は高いと言えます。
 ここボリビアでも今年初めから流行し、2月から始まる公立学校も政府からの指示で一週間、入学式・始業式を延期しました。オキナワ第2移住地のヌエバ校も公立学校ですので、2月5日の始業式を12日に延期しました。
こちらの人は、我々が住んでいるサンタクルスデング熱は、高熱が出て危険だといっていますが、まだ回りの知人がこの病気に罹ったという話は聞いていません。
ただし、我々と同時にドミニカ共和国に派遣された青年隊員からデング熱で入院した連絡がありました。もっとも、デング熱より病院の食事が合わないほうが大変だったと言っていましたが。
 次は、アメーバ赤痢についてです。 赤痢アメーバという原虫による大腸の感染症で、世界で年間約5千万人の感染者、4〜10万人の死亡者がいると推定されています。赤痢アメーバに汚染された飲食物を口からとることで感染します。ほかの寄生虫感染症に比べ、日本でも多くの感染者が発生しているそうです。日本では海外の流行地域で感染した人は少なく、男性同性愛者または知的障害者での感染がほとんどです。年間500〜600人の届け出があり、死亡例は数例とインターネットに載っていました。
 昨年の9月に「N大学の南米研究室」の教授と学生10名が、ここボリビアのオキナワ移住地に来て、日本語学校の視察も行いましたが、次の日に学生10名中9名がこのアメーバ赤痢に罹り、オキナワ移住地の診療所に入院する騒ぎがありました。また、オキナワからの派遣教師の方も感染し、体重が40Kgも減少しました。
 実は、私も3週間前についにこの「アメーバ赤痢」に罹ってしまいました。
 3月4日(土曜日)に、JICAの月例ゴルフ大会で優勝(スコアは聞かないで下さい)して、パーテーで中華料理をたらふく食べたのが原因かも知れません。とにかく、日曜日から腹の調子が悪くなり、月曜日には超特急になり、翌日出張先のオキナワ移住地の診療所で診察・検査をしてもらい、アメーバー赤痢の陽性と診断されました。食欲もあることから、入院せずに10日分の薬を頂きました。2日程度で体調は良くなり、薬を飲み終わった先週再検査を受けました。幸い、陰性と判断されホッとしているところです。
 症状はたいしたことはなかったのですが、アメーバー赤痢の薬は、アルコールを飲むと副作用がひどいと医者から注意を受けたので、10日間ボリビアのビールを飲めなかったのは辛かったです。
<完治後、青年隊員の送別会にて>