教会めぐり 4日目 8月7日(火)(記H)

 昨夜サン・ホセを出発したかったが、冬休みと独立記念日に重なったため、列車の切符が手に入らず明朝の出発となる。
 事務所のSさんのお勧めで、サン・ホセから200Kmの所にあるSantiago de Chiquitos の景勝地へ行くことを計画。朝8時に、この町にあるたったひとつの旅行会社が入っている村役場へ行ったら閉まっていた。近くの店で尋ねると「今日は祝日なので役場は空かないよ」とのこと。ホテルへ戻ってそのことを話したら「ちょっと待って」とおかみさんが姿を消した。10分ほどで戻ってきたおかみさんは二人の男性を引き連れていた。二人が「120ドルでSantiago までいくよ。」と言ってきた。まるまる一日をホテルで過ごすより、何ドルでもいいと思って案内を頼んだ。
 40分位して、その人たちは「車がようやく見つかったから」とニッサンのヒップバンで乗り付けた。二人とも村役場の職員でひとりはワキンさん(教師)、もう一人は英語の達者なイスラエルさん(農業指導者)。ワキンさんの17歳になる息子も同行した。
 ロボレ(Robore)というサン・ホセから180Km離れた町までの道は、なんと高速道路。それも、まだ正式には開通していない工事中の道には、走っている車は数台しかない。イタリアが工事しているというアウトバーン並みの良い道路を120Kmで飛ばす。途中Chochisという町に寄り、赤く大きな岩山を見せてくれた。「あそこまでは5Km、山道なので歩かなければなりません。」との説明に私たちは「ノー・グラシアス」と返事して先を急ぐ。
<Chochisの、赤い岩山>

ロボレ(Robore)の町では、ちょうど警察によるパレードがセントロで展開中。あちこちで見てきたように、村長さん以下招待客の前で胸を張ってパレードするものだった。ワキンさんの息子とは、この町で別れ帰りに拾って行くことにした。
<道路を遮断してのパレードをバックに記念撮影>

 この町からSantiagoまでは、砂の多い道。40分ほど走ると次第に上り坂、それも両側は大木が密集している道になる。新聞で見た岩山が見えた所で車を降り、往復1時間のトレッキング。見晴台からの眺めは、緑一面で、ボリビアの広大さを伺わせるもの。ロボレからヒップバンの荷台に乗せてきたサンタからのご夫妻と一緒に山登りを楽しんだ。ガイド役の29才になるイスラエルさんは、昨日祝日で飲みすぎたからとフーフー言っていた。
サンチアゴ・チキートスSantiago de Chiquitosの岩山>

 帰りは二つのハプニングがあり大笑い。
 ひとつは、ロボレの親類の家で待っているはずの息子ホセ君がいなかったため、父親のワキンさんは、友人の家2軒を訪ねたり必死で探す。何回か町をぐるぐる廻り、30分後にセントロに戻ったところでやっと発見。カンカンに怒ったワキンさんは「おまえなんか、列車で戻ってくればいいんだよ」と。でも、Wさんは「ワキンさんは10Bsしか息子に上げなかったから、列車には乗れないよね。」と。
 もうひとつは、サン・ホセにあと一歩という所で左の後輪がパンクしてしまったこと。急に車の音がおかしくなったので「どうしたのかしら」と話していたら、荷台に乗せたキューバの医者が「止まって」と屋根を叩いた。熱でパンクしたらしい。男性5人がかりで曲がった工具を使い30分後に見事修理完了。途中の町にある修理工場に寄ったがワキンさんの望む品がなく、タイヤのボルトを締め直してもらっただけで帰る。
 田舎はガソリンスタンドがなく、一軒の農家がポリタンクで売っているだけ。ワキンさんは、借りたジョーゴを使って入れようとしたが大きさが違っていたので、次はホースを借りて入れようとするが、それも上手くいかず、Wさんが「注入口のフタをドライバーで開けるといい」と進言して、最後に成功。日本のように便利でないここボリビアでは、人々の知恵が働くことを実感した一場面だった。
<タイヤ交換>

<ポリタンクから給油>

 夜行列車は、真夜中の2時39分出発とチケットに書いてあったので、2時にTAXIを呼んでもらう。ところが1時30分に「TAXIが来ました」とお知らせがあり、大あわてで、洗顔もそこそこに駅へ行くと1時間前だというのに人がたくさん集まり、あちこちのベンチはいっぱいだった。日本のように改札はなく、列車は2時21分に出発。「どうして予定より早く出発するの??」と驚く。
 急行列車は、時速50Kmくらいで走るが、その揺れのすごさといったら、縦にも横にもゆれ、ガタンゴトンと規則的な音でなく、ガチャン、ガラガラといった表現の方が適確。シートはリクライニングだったが、二人ともよく寝られず翌朝サンタに到着した時には、日本からボリビアまで、32時間のフライトをした後くらい疲れていた。
<12両編成の列車>

<でも、子どもはリクライニングシートでぐっすり>

<新しい道路沿いに走る鉄道>
 よく見て下さい。線路が曲がっているのが良くわかるでしょう。日本ではこんな線路には、列車は絶対走らせないでしょう。(この写真は、午前中Santiagoへの途中で撮影)